1台で何でもできちゃうんです

「携帯電話はあくまでも電話なのだから、通話とメール機能さえあればほかの余計なものはいらない。」こんなことばを聞くことがあります。
そういった人は、いわゆるIT技術に疎いのかというとそんなことはなく、Macの初期のころからのモデルを知っていたり、最新のパソコンを操作していたりするのです。

こうした人たちの中では、インターネットはパソコンで、通話は携帯でといった概念が出来上がっているため、そこからなかなか抜け出せないでいるのです。
しかし、いわゆる若者世代となると、初めに触れるIT機器が携帯電話であることが多く、今ではスマートフォンがITへの入り口であったりするため、様々な機能をケータイやスマホに求めるようになります。

一昔前の世代には、カメラ機能でさえめったに使わない人もいます。ですから、若者がケータイを一日中握りしめて操作をしている姿を見て、何をやっているのかと不思議に感じたり、メールなんかでコミュニケーションをとらないで実際に生の人間と会話したほうがよいだろう、などと憤ったりします。

若者たちは何もメールだけをしているわけではなく、実に多くのコンテンツを利用しています。プロフにブログ、ホームページの更新、閲覧、ソーシャルネットワークでのコミュニケーション、ワンセグテレビ、ゲーム、音楽、小説、漫画の閲覧などなど、これまでは別々の媒体が提供していたものをたった一台の器械が提供してくれるのです。
漫画を読んだり音楽を聴いたり日記を書いたりなどの行動はそれ遺残の世代とそれほど大きな違いはありません。

むしろ、前の世代が思い描いていたコンピュータが取り巻く夢の世界が現実化しているのではないでしょうか。以前はカメラやパソコン、雑誌に至るまで物への愛着が強いことがその分野における専門家のように捉えられていましたが、今の若者はそうした外見よりも物の本質にこそ価値を見出しているのかもしれません。
眉をしかめる前に、手元のケータイでまだ使っていない機能に触れてみてはいかがでしょうか。